カートンのサイズよりパターンが重要な理由
同じカートンを積んだ2枚のパレットでも、並べ方だけで1段あたりカートン1個の差が出ることがあります。8段なら1パレットあたり8個、注文全体ではパレット1枚分になることもあります。パターンは、輸送中に荷崩れしないか、最下段のカートンにどれだけ荷重がかかるかも左右します。
選択の指針となるのは次の3点です。
- 面積:1段に何個収まるか。
- 結束性:段同士が互いに支え合うか、独立した柱が並んでいるだけか。
- 圧縮強度:カートンの角がカートンの角の上に載り、側面が荷重を受けるか。
基本の計算(1段あたりのカートン数 × 段数)はユーロパレットにカートンはいくつ積めるかで解説しています。
グリッド(柱積み)
段内のすべてのカートンが同じ向きで、各段が前の段のちょうど真上に載ります。その結果、垂直の柱が並んだ状態になります。
- 長所:角と側面が正確にそろうため、カートンの圧縮強度を最大限に生かせます。高い積み上げや長期保管で重要です。
- 短所:柱同士がつながっていません。ストレッチフィルムやバンドがないと、ばらけることがあります。
- 面積:カートンの寸法がパレットの寸法で割り切れる場合にのみ最適です。1,200 × 800 mm上の400 × 300 mmのカートンなら4 × 2 = 8個で、デッキ面をすき間なく覆います。
交互積み:継ぎ目をまたぐ
交互積みでは1段おきに配置を変え、カートンが下の段の継ぎ目をまたぐようにします。れんが壁と同じ考え方で、積み荷全体の剛性が高まります。
- 長所:荷崩れしにくく、特に小さく軽いカートンで効果があります。
- 短所:一部のカートンの角が、角ではなく天面の上に載ります。実際に使える圧縮強度が下がり、重い積み荷では現実的なリスクになります。
交互積みは面積を犠牲にすることが多くあります。400 × 300 mmのカートンでユーロパレットを8個で埋める方法は1通りしかありません。800は300 mmの倍数で構成できないため、800 mmの幅を横切るどの線も、ちょうど2つの400 mmの辺に当たる必要があるからです。そのため継ぎ目をずらした段はカートン数が減ります。たとえば7個で、300 mmの1列に縦向き3個、残りの奥行きに横向き4個となります。
2ブロック:2つのグリッドを並べる
パレットを2つの領域に分け、それぞれでカートンの向きを変えます。単純なグリッドで余る帯状のすき間を活用する、最もシンプルな方法です。
例:工業用パレット1,200 × 1,000 mm、カートン400 × 300 mm。グリッドでは9個(3 × 3)です。1,000 mmを400 mmと600 mmの帯に分けると、前者に横向きで4個、後者に縦向きで2 × 3 = 6個が入り、10個でデッキ面をすき間なく覆います。
2つのブロックの向きが異なるため、2ブロックパターンは段内にも多少の結束効果をもたらします。
ピンホイール(風車積み)
同じ形の4つのブロックを中心の周りに環状に配置し、風車の羽根のように隣同士で90°ずつ向きを変えます。パターン自体が組み合わさるため、正方形またはそれに近い積載面に適しています。
形状は単純です。a × bのブロックを使うと、一辺a + bの正方形ができ、中央に(a − b) × (a − b)のすき間が生じます。400 × 300 mmのカートンを2個並べると600 × 400 mmのブロックになり、これを4つ組み合わせると1,000 × 1,000 mmの正方形に8個が入り、中央に200 × 200 mmのすき間が残ります。
その代償が中央のすき間です。柔らかいカートンや重いカートンでは、上の段がたわむ原因になることがあります。
5ブロック:中央を埋めたピンホイール
5ブロックパターンは、外側の4つのブロックの中央に5つ目のブロックを加え、十分な大きさがあればピンホイールのすき間を活用します。
JetPalletのリファレンスプロジェクトの例:1,100 × 1,100 mmのパレットに400 × 300 mmのカートン。1段あたり、グリッドでは6個、2ブロックでは8個、5ブロックでは9個です。4段なら32個ではなく36個になります。
5ブロックパターンを手作業で見つけるのは困難です。分割の組み合わせはすぐに膨大になるため、体系的な探索が効果を発揮します。
段順序:繰り返し、180°回転、反転
同じパターンでも、すべての段を同じ向きに置く必要はありません。よく使われる順序は3つです。
| 順序 | 効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 繰り返し | 柱状になり、圧縮強度が最も高い | 段同士の結束がない |
| 180°回転 | 非対称パターンでは継ぎ目がずれる | 対称パターンでは形状が同じになる |
| 反転(長さ方向または幅方向) | 180°と同様だが、余白の帯の位置が移動する | カートンの一部が宙に浮くことがある |
最後の点は重要です。回転や反転したパターンでは、カートンが下の段に一部しか支えられないことがあります。例として、1,000 × 800 mmの積載面に800 × 800 mmのカートンを置き、2段目を反転させると、上段の支持率はわずか75%です。そのためJetPalletは、すべての段の境目で幾何学的な支持をチェックします。初期設定は全面支持で、最小値を0.1〜100%の範囲で設定できます。これは幾何学的なチェックであり、安定性の証明ではありません。
柱積みと交互積みの組み合わせ:両者を組み合わせることもできます。JetPalletでは、荷重が最も大きく圧縮強度が最も重要な下段を柱状にそろえて積み、その上の段を選択した順序で交互に配置できます。柱状にする下段の数は自由に決められ、支持チェックはすべての段の境目に適用されます。
はみ出しと内寄せ
パターンがパレットの縁でぴったり終わる必要はありません。
- はみ出し:積荷がパレットの外にはみ出し、その分多くのカートンを置ける場合があります。410 × 210 mmのカートンは、1,200 × 800 mm上のグリッドでは1段6個ですが、全周に30 mmのはみ出しを認めると12個になります。欠点は、角が傷みやすく、はみ出した側面が受けられる荷重が小さくなることです。
- 内寄せ:フォーク、隣のパレット、トレーラーの側壁がカートンに触れないよう、積荷を意図的に縁から内側に寄せます。
JetPalletでは、パレットの辺ごとにどちらも最大±500 mmまで設定できます。すべてのパターンは実際の積載面で計算されます。
どのパターンをいつ使うか
| 目的 | まず検討するパターン |
|---|---|
| 高い積み上げ、長期保管、重いカートン | グリッド、段の繰り返し |
| 小さく軽いカートン、荷役が多い | 面積が許せば交互積み、または段を交互に配置 |
| カートンの寸法がパレットの寸法で割り切れない | 2ブロック |
| 正方形の積載面 | ピンホイールまたは5ブロック |
| カートンがわずかに収まらない | はみ出しを検討(許可されている場合) |
この表は個別のケースの確認に代わるものではありません。輸送中に積み荷が安全かどうかは、カートン、中身、固定方法、輸送経路によって決まります。
JetPalletの積付けパターン
JetPalletは、グリッド、2ブロック、ピンホイール、5ブロック、再帰的な長方形分割、L字型配置など、複数のパターン群を自動で探索し、すべての結果の形状を個別にチェックします。重なりがないこと、積載面の外に出るカートンがないことを確認します。段順序(繰り返し、180°、反転)は支持チェック付きで計算され、はみ出しや内寄せも辺ごとに考慮されます。段エディタで独自の配置を作成することもでき、同じチェックが適用されます。
探索の品質は測定できます。1,000件のテストでは、807件で、より多くのカートンを載せられる段が存在しないことが証明されており、どのケースについてもより良い解は知られていません。残りのケースは証明がまだ済んでいません。詳しくは計算の限界を、その他の機能は機能をご覧ください。
パターンを手軽に試すならWebの計算ツールをどうぞ。すべてのパターン群、段順序、レポートを使うには、JetPalletを14日間無料で試すことができます(macOS 15以降)。
よくある質問。
柱積みと交互積みの違いは何ですか?
柱積みはすべての段をそろえて積むため、カートンの圧縮強度を最大限に生かせます。交互積みはカートンが下の段の継ぎ目をまたぐため荷崩れしにくくなりますが、実際に使える圧縮強度は下がります。
ピンホイール積みとはどんなパターンですか?
同じ形の4つのカートンのブロックを、それぞれ90°ずつ向きを変えて中心の周りに配置します。a × bのブロックなら、一辺a + bの正方形になり、中央に(a − b) × (a − b)のすき間ができます。
5ブロックパターンが有効なのはどんなときですか?
正方形またはそれに近い積載面で、ピンホイールのすき間にもう1つブロックが入る場合です。例:1,100 × 1,100 mmに400 × 300 mmのカートンを置くと、1段あたり8個ではなく9個になります。
パレットからのはみ出しは認められますか?
荷受人、倉庫、運送会社の判断によります。角が傷み圧縮強度が下がるため、多くの場合は認められていません。